准看護師から正看護師になるためには?

time 2016/11/16

准看護師から正看護師になるためには?

准看護師から正看護師になるためには?

准看護師として働いていると、正看護師との待遇面での差が気になるものです。
「仕事内容は同じなのに給料は○万円も違う」、「ボーナスにも差がある」、「役職に就けない」、「准看護師だと見下される」などなど。
准看護師として働くうちに、正看護師に挑戦してみようかな、と考える方もいるでしょう。
今回は、准看護師から正看護師になるための、詳しい方法やメリットについてご紹介します。

准看護師が正看護師の資格を取得する方法

通常、正看護師になるためには3年~4年の看護学校、短大、大学での履修が必要です。
しかし、准看護師の場合、全日制で2年、定時制で3年の看護学校への通学で正看護師試験の受験資格を得ることが可能です。
通常の看護師養成課程よりも1年短縮して正看護師試験の受験資格が得られます。メリットが多そうに思えますが、この場合、しっかりと看護学校に通わなければなりません。

看護師学校に2年間通うケースが一般的

准看護師から正看護師になるには、まず以下の2つの条件を満たす必要があります。

①准看護師として3年以上働いていること
②「看護師学校養成所2年課程」で学び、看護師国家試験に合格し、看護師免許(正看護師の免許)を取得すること

「看護師学校養成所2年課程」とは、その名の通り、2年で正看護師の免許をとれる養成所のことです。
この養成所には、養成所に通う「通学制(全日制2年・定時制3年)」と自宅で学べる「通信制(2年)」の2つの学習スタイルがあります。
それぞれの経験年数、ライフスタイルによって選ぶことができます。

まず通学制を選ぶメリットは、学校の授業を強制的に受けることで、勉強の時間をしっかり確保できることです。そのため、国家試験合格率が約90%と高い傾向にあります。
また、一緒に学ぶ仲間ができるということもありますので、みんなで励まし合って看護師国家試験を目指すことができるので、心強いですよね。
デメリットとしては、平均184万円ほどかかる学費の高さです。
ただ、もし学費が高くて悩んでいる人は、国の「教育訓練給付金制度」や日本看護協会の「奨学金制度」などを活用してみるのもおすすめです。

働きながら定時制の看護師学校に通うこともできる

全日制の場合は、仕事と並行して行うことはまず無理なので、今の職場を休職または退職する必要があります。
理解のある職場であれば、また雇ってもらえることもありますが、賭けの要素も大きくなります。

学校によっては、全日制(2年)だけでなく、定時制(3年)もあります。
定時制の場合は、週に3日だけ通うというスタイルのため、働きながらでも学ぶことができます。
通学費用もそれでまかなうことができるかもしれません。ただし、常勤ではなく非常勤になることが多いと思いますので、待遇が低くなる可能性はあります。
日中は定時制、夜間は病院で夜勤という働き方もありますが、心身に大きな負担がかかることもあるので、働き方を工夫する必要はあります。

一定の実務経験があれば、通信課程で学ぶこともできる

通信制は学校に通う必要がない分、時間と場所を選ばずに勉強できることがメリットだといえます。
また、学費は平均110万円と、通学制と比較すると経済的です。
しかし、通信制の受講には条件があります。
それは、准看護師として通算で10年以上の臨床経験が必要になるということです。
(※2018年4月の入学生から臨床経験を7年に短縮することが決まりました)

そのため、准看護師であっても、その経験年数が短すぎると、通信制を選べないことがあります。
また、通信制は独学で進めていくこともあり、国家試験合格率は約80%と通学制より低くなっています。
通信制で合格を目指す場合は、自己管理や、職場や家族からの理解とサポートが不可欠です。

正看護師の資格取得をサポートしてくれる職場も多い

近年大きい病院では、准看護師が正看護師の資格を取得するための支援を積極的に行っているところも増えています。看護学校への進学を手助けするために奨学金制度を設けています。
准看護師としての経験が長い方は放送大学で単位を取得すれば、正看護師国家試験受験資格を取得できる制度もあります。こちらに関しても、国家試験受験前の勤務時間や実習期間のシフト変更など柔軟に対処してくれるところがたくさんあります。

奨学金制度のある病院のなかには正看護師資格取得後、お礼奉公として一定年数病院で働けば、借りた奨学金の返済が免除される場合もあります。在籍期間としてはだいたい3年から5年程度です。
奨学金の金額は各病院によって異なり、年額40万円~86万円です。貸与された奨学金は貸与された病院で一定期間勤務することで返済が免除されますが、勤務期間は貸与期間に応じて決まります。

准看護師が正看護師にキャリアアップする4つのメリット

正看護師は一見准看護師と変わらない仕事内容に見えますが、比較してみるとさまざまなメリットがあります。
参考までに、2001年の准看護師数は約42万人→2010年は約39万人と減少していますが、正看護師は2001年約111万人→2010年約140万人と増加しており、前看護師数の77%を占めます。
この数字からも、よりメリットのある正看護師に魅力を感じ、目指す人が増えていることが分かります。

1.年収・給料がアップする

日本看護協会が公表している統計データによると、准看護師の月々の給料は28万円、ボーナス68万円、年収407万円あまりとなっています。
一方、正看護師になると月々の給料で33万円、ボーナス83万円、年収475万円と准看護師のはるか上の数値を示しています。
その差は、月で見れば5万円ほどですが、年で見ると、67万円以上になります。
仮に20年間勤務した場合は、何と1,300万円以上もの差が出てしまいます。
正看護師であれば管理職に就くこともできますので、さらに給料をアップさせることも可能です。
昇進した場合、主任手当は毎月3万円程度、師長手当は5万円程度は最低額出ています。勤続10年で主任になる人が多いようです。

しかし、准看護師から正看護師になった場合、准看護師としての経験がリセットされるケースもあります。
病院によっては今までの准看護師としての経験が昇給に加算されず、新卒の正看護師としてスタートすることがあるのです。そのため、准看護師としての勤務年数が長い方は、かえって給料が下がってしまう恐れがあります。
もちろん正看護師になることで、そのまま資格手当がつき給料がアップするケースもたくさんあります。
准看護師から正看護師の資格取得への給与の扱いは、職場によって異なるので、勤務先の規定を必ず確認しましょう。

2.仕事内容や職場の選択肢が広がる

准看護師の約40%が病院、約30%が診療所やクリニック、約22%が介護施設などで働いているのに対し、
正看護師の勤務先は、約70%が病院と断トツに多く、約15%が診療所やクリニック、約10%が介護施設で働いています。(※厚生労働省調べ)
大学院、大学病院などでは正看護師の方が採用が圧倒的に多く、准看護師の採用はかなり限られているというのが現状です。

これは、より確かな知識をもっている正看護師多少高い給与を支払ってでも採用して、業務にあたらせたいという病院側の考えもあるようです。
正看護師の勤務先に病院が多い理由としては、大学病院や総合病院などが積極的に新卒の「正看護師」を採用しているからです。
また、一部の大学病院では、准看護師の新規募集をしていないこともあるそうで、病院勤務に関しては正看護師が有利という状態は続いています。

3.助産師や保健師の資格を習得できる

2007年の法改正後、保健師・助産師の国家試験を受験するには、正看護師の国家資格に合格していることが必須条件となりました。
「保健師」は、地区活動や保険指導などを通じて、疾病の予防活動や、健康維持管理のための支援活動を行う職業・資格のことです。
具体的には地域の保健所や市役所で公務員として働く「行政保健師」、企業の医務室や健康相談室で働く「産業保健師」、学校の保健室で働く「学校保健師」などに分けられます。

「助産師」は、女性の妊娠・出産から育児までの各時期において必要なアドバイスや保険指導を行い、正常分娩の場合は分娩介助をし、出産後のケアや育児相談まで行う職業・資格のことです。
日本で助産行為を行うことができるのは、医師か助産師に限られています。
なお助産師は、国家資格では珍しい性別制限があり、女性しか取得することができません。

4.専門看護師・認定看護師の資格を習得できる

正看護師のキャリアアップや専門性向上のための1つの選択肢として、専門看護師と認定看護師の2つの資格があります。
どちらも、看護の実務経験が5年以上必要です。さらに、認定看護・専門看護はそれぞれの分野で3年以上の実務経験が必要となります。ともに、日本看護協会が認定する国家資格です。
認定看護師が、看護師や医師との関係のなかで責務を果たすのと違い、専門看護師は一般市民への適切な看護指導や、看護関係者(家族も含む)のコンサルティング、あるいは様々な調整を行うことを目的にしています。

「専門看護師」は11の特定分野があり、がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性・重症疾患看護、感染症看護、家族支援、在宅看護です。

「認定看護師」は21の分野があり、救急看護、皮膚・排泄ケア、集中ケア、緩和ケア、がん化学療法看護、がん性疼痛看護、訪問看護、感染管理、糖尿病看護、不妊症看護、新生児集中ケア、透析看護、手術看護、乳がん看護、摂食嚥下障害看護、小児救急看護、認知症看護、脳卒中リハビリテーション看護、がん放射能療法看護、慢性呼吸器系疾患看護、慢性心不全看護が該当します。
各々の専門的スキルを身につけることで、熟練度の高い看護を実践すること、そして一般看護師への指導と相談を行うことを目標としています。

正看護師を目指す准看護師におすすめの転職サイト

正看護師を目指すのであれば、今の職場環境を見直すことも大切ですし、場合によっては転職を考える必要もあります。資格取得支援制度が整っているか、正看護師になった後は給与アップが可能かなど、事前にチェックしましょう。
そのような細かなチェック項目は、残念ながら通常の転職サイトでは確認することが難しかったりします。
そんな時におすすめなのが、看護師専門の転職サイトです。自分で項目を選択して調べることもできますし、専任のコンサルタントに相談すれば、好条件の非公開求人の情報を得ることもできます。
より環境の整ったところでバックアップしてもらえば、勉強にも集中して励むことができるでしょう。