准看護師と正看護師の違いって?

time 2016/11/16

准看護師と正看護師の違いって?

准看護師と正看護師の違いって?

看護師は大きく分けて、正看護師と准看護師の2種類があります。
病院にいる患者さんに「正看護師と准看護師の違いを見極めてください」と言っても、患者さんには違いがわからないのが事実です。
しかし、その資格がどこから与えられるかということに始まり、異なることはたくさんあります。
今回は、そうした違いについて考えていきます。

准看護師と正看護師の主な6つの違い

仕事内容では大差ないと思われる正看護師と准看護師ですが、さまざまな違いがあります。
下記では違いについて1つ1つご紹介していきます。

1.仕事内容の違い

正看護師と准看護師の仕事内容について大きな違いはありません。
准看護師にはできず、正看護師しかできない医療行為はないからです。
しかし、准看護師は「正看護師の指示に従って」業務を行うことになります。
つまり准看護師は、厳密には正看護師のサポートをする立場にあります。

とはいえ実際の現場では、名称や資格の違いはありますが、同様の業務をこなしているのが現状です。
医療現場における看護師不足は深刻化の一途をたどっているため、分け隔てなく業務を行うことがどうしても必要になってきます。
ただ、業務の責任面においては、准看護師は医師か正看護師の指示で動くため、直接の責任は指示をした上司が取ることになっています。

2.年収や給料の違い

日本看護協会が公表している統計データによると、准看護師の月々の給料は28万円、ボーナス68万円、年収407万円あまりとなっています。
一方、正看護師になると月々の給料で33万円、ボーナス83万円、年収475万円と准看護師のはるか上の数値を示しています。
その差は、月で見れば5万円ほどですが、年で見ると、67万円以上になります。仮に20年間勤務した場合は、何と1,300万円以上もの差が出てしまうのです。

しかし、実際の業務にはあまり差がありません。
給与水準が正看護師と比較して低いことが、准看護師最大のデメリットです。
正看護師であれば管理職に就くこともできますので、さらに給料をアップさせることも可能です。
こうした待遇の違いから、正看護師を目指す准看護師の方も増えています。

3.手当や福利厚生など待遇の違い

お給料では違いが見られる准看護師と正看護師ですが、福利厚生や保険では目立った違いが見られないようです。
そこで決定的に違うとすれば、やはり勤務先での福利厚生の違いでしょう。
健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険に関する保険料の支払いをはじめとした様々な福利厚生の充実度は、医療施設としての規模の大きさに比例する傾向があります。

医療施設の規模によっては、年金は国民年金に加入しなければいけないこともあります。
退職金も同様なので、施設によってどうなるのか事前に確認しておく必要があります。
もともと正看護師と准看護師は給与に差がありますが、それに加え、正看護師には手当がつきます。
ちなみに昇進した場合、主任手当は毎月3万円程度、師長手当は5万円程度は最低額出ています。勤続10年で主任になる人が多いです。

4.キャリアアップのチャンスの違い

収入以外の待遇にも差があり、やはり正看護師の方が地位が高い場合が多いです。
「看護部長」や「○○主任」といった役職は正看護師、准看護師双方いる場合は、ほとんどの場合に正看護師が独占しています。
また、同じ能力の人がいれば、やはり正看護師の方が上の役職に就くことがほとんどです。
准看護師の人が正看護師を含めて上に立って束ねるというのは、よほどの能力や人望がある場合に限られているのが現実です。

また、キャリアアップに役立つ助産師や保健師、認定看護師などの専門資格をとるためには正看護師の免許が必要です。
そのため、准看護師の方で専門資格を増やしたい方は、まず正看護師の免許を取得する必要があります。

5.職場の違い

准看護師と正看護師では働く場所にも若干の違いがありますが、制限は特にありません。
准看護師の約40%が病院、約30%が診療所やクリニック、約22%が介護施設などで働いています。(※厚生労働省調べ)
一方、正看護師の勤務先は、約70%が病院と断トツに多く、約15%が診療所やクリニック、約10%が介護施設で働いています。

前述したように、業務に変わりはありませんが、准看護師は正看護師と比較して収入は低めです。
そこで個人経営をしている診療所やクリニックは人件費が抑えられる准看護師を比較的多く雇用しています。
もちろん大きい病院などでも採用枠はありますが、准看護師は看護基準を満たせません。
看護基準は診療報酬に関係します。要は正看護師を採用する方が病院は診療報酬が高めになります。
また、高度な医療技術、救急時の対応が求められる総合病院や大学病院では、准看護師の採用が限られています。
そういった理由も加味され准看護師と正看護師では職場に違いが出てくるのです。

6.資格の違い

正看護師准看護師のもっとも大きな違いは“資格”です。正看護師は国家資格で、准看護師は公的資格になります。
正看護師の資格を取るためには、高校卒業後、3年制か4年制の看護学校、大学、短大に通い、厚生労働省の国家試験に合格しなければなりません。
一方、准看護師の資格は、2年間学校に通い、都道府県の知事試験を受けて、都道府県知事の免許を取得する必要があります。准看護師の資格の場合、准看護学校の登校日や時間が決められているため、あらかじめ病院などでアルバイトをしながら資格を取得することが可能です。
また、正看護師に比べて早く資格を取ることができるので、早く医療の現場で働きたいという人には、准看護師の資格取得を目指すといいでしょう。

准看護師のメリットとは?

一般的に准看護師は、正看護師より給料が低かったり、専門資格へのスキルアップがスムーズではないというデメリットがありますが、
免許を取得するまでの期間が短かったり、学費が安いというメリットがあります。
下記では、そのような准看護師のメリットについてご紹介します。

仕事とプライベートのバランスを取りやすい

医療の仕事は、ある程度の稼ぎが期待されるため、医療の仕事を目指す社会人や、シングルマザー、育児を終えたあとの主婦などに人気があります。
とりわけ准看護師は正看護師とは違い、短い時間で資格が取れるため、忙しい主婦や共働きをしたい女性にとって、魅力的な資格であるようです。
准看護師の資格を取っていれば、正看護師のように出世を望めない代わりに、主婦にとっては嬉しい非常勤での勤務ができるようになります。午前中のみの勤務や週に何日かの勤務は、自分の都合で選ぶことができるため、家庭との両立が図りやすいというメリットがあります。

准看護師としての経験を活かして、正看護師へキャリアアップできる

もっとお給料が欲しい、専門資格を増やしたいという場合には、正看護師へキャリアアップすることができます。
また、「准看護師から正看護師へのキャリアアップ」に関しては、日本看護協会でも推奨されています。
そのため、今後は正看護師を目指す准看護師がもっと増えてくると考えられます。
准看護師から正看護師になるためには、准看護師として3年以上働いていることと、「看護師学校養成所2年課程」で学び、看護師国家試験に合格し、正看護師の免許を取得する必要があります。

養成所には、養成所に通う「通学制」と、自宅で学べる「通信制」のふたつの学習スタイルがあります。
通学制と比べると、通信制は仕事と両立しやすいですし、学費は比較的経済的です。
しかし通信制は准看護師として通算で10年以上の勤務経験が必要になるということがあります。(※2018年度4月の入学者より実務経験7年に短縮されることが決まりました)
通学制、通信制、両者とも入学試験があります。学科試験や学校によっては、面接や小論文を行う場合もありますので、注意してください。

やる気があれば、准看護師から正看護師へのキャリアアップができます。キャリアアップのためには勉強をする必要がありますが、1度准看護師で様子を見て、できるようなら正看護師の資格を目指してみてはいかがでしょうか。

准看護師の仕事を探すお勧めの方法

もし今の職場での准看護師の待遇に納得ができない場合、転職を考えるのも1つの手です。
看護師専門の転職サイトでは、登録をすると専任コンサルタントに相談ができます。
准看護師が働くうえでの待遇が優れていたり、働きやすい職場の求人などを探してもらうことができます。その場合、准看護師が多い職場を選ぶと環境が整っているケースが多いです。
正看護師へのキャリアアップを目指している場合は、資格取得支援制度のある病院を選ぶのがおすすめです。